孤独へのパワフルな緩衝材

コンパッションの役割として大切なことのひとつは、
コンパッションは孤独へのパワフルな緩衝材になるということです。

パンデミックが起こる前から、
孤独は大きな社会的な問題でした。

孤独の流行とさえ言われていましたが、
このパンデミックの中で、
その孤独の問題がさらに大きくなりました。

わたしたちはパンデミックによるロックダウンによって、
人々とつながり、コミュニケートするという
社会的な性質を表現することを強制的に抑えることになりました。

日本では、ロックダウンは
他国ほどに厳しいものではありませんでしたが、

それでも長期にわたるステイホームは、
外出の機会を減らし、
社会的な交流の場が少なくなりました。

外食も、ショッピングも制限され、
社会的に孤立することを強いられました。

特に西洋では自主的であることを強調されることから、
結婚していたり子供がいない人は
一人で住んでいる人が多くいました。

一人でいるからといって孤独であるとは限りませんが、
一人でいると孤独になりがちです。

孤独は人を殺してしまいます。
孤独は健康や長寿などの問題において
大きな問題の原因となっています。

コンパッションは孤独の問題において強力なバッファーになります。

なぜなら、コンパッションのコアは誰かとの繋がりの感覚だからです。

もしあなたが誰かとのつながりを感じることができれば、
孤独感を感じることがなくなります。

なぜなら、孤独は他の人との繋がりの喪失であり、
疎外感の経験だからです。

ですからコンパッションにもっと意識をおいて、
コンパッションによる愛をもたらすことが孤独を防ぎ、
孤独に対するパワフルな態度になります。

それとは別のアプローチとして、
孤独に対しては、瞑想的なアプローチがあります。

Oshoはそのことを次のように語っています。

 孤独を避けるための試みはすべて失敗に終わった
 そして、これからも失敗するだろう
 なぜなら、それは生の根本に反するからだ

 必要なことは、
 自分の孤独を忘れさせてくれる何かではない
 必要なことは、ひとりであることへの自覚だ─

 ひとりであること、それはリアリティだ

 それを体験し
 それを感じることは非常に素晴らしい
 なぜなら、それは群衆からの、他者からの自由だからだ
 それは寂しさの恐怖から解放されることだ

 「寂しい」ということばだけでも
 すぐに何か傷のようなもの
 それを満たすために何かが必要だということをあなたは想起する

 それは隙間だ
 それは痛む

 それを埋めるための何かが必要だ

 「ひとりであること」ーー
 そのことば自体には
 ある種の傷──
 埋めなければならない隙間というような感覚はない

 ひとりであることは、まさに完成を意味する
 あなたは完全だ
 自分を完成させるために、ほかの誰も必要としていない

 だから
 あなたのもっとも内奥にある中心を
 見つけようとしてごらん

 そこであなたはつねにひとりだ
 今までもつねにひとりだった
 生において、死において、
 どこにいてもあなたはひとりだ

 だが、それはあまりにも満ち足りている──
 空虚ではない──

 あまりにも満ち足り、
 あまりにも完璧であり
 生のあらゆる豊潤さ
 そして存在のすべての美と祝福に満ち溢れている

 だから、
 一度自分がひとりだということを味わえば
 ハートの痛みは消えてゆく

 その代わりに途方もない甘露──
 穏やかさ──
 喜び──
 至福による新しいリズムがそこにある

 それはひとりであることに中心を持っている人──
 自分を完成した人が友人を持てないという意味ではない
 事実、そのような人だけが友人を持つことができる

 なぜなら──、
 それはもはや欲求ではなく
 まさに分かち合うことだからだ

 その人はあまりにも多くを持っている
 だから分かち合うことができる

            Osho

ここでOshoは、孤独(Lonliness)と
ひとりであること(Aloneness)とは
まったく違うこととして述べています。

ひとりであることは、満ち足りた経験であり、
人間にとって本質的なものだと語っています。

そは本来あるべき内奥の中心の体験であり、
瞑想によるアプローチです。

このアプローチは、どちらかといえば男性的なアプローチであり、
一人で探求することが好きな人に向いています。

コンパッションでは、
自然に相手のことをを思いやる、愛によるアプローチです。
その愛が孤独の感覚をやわらげてくれます。

このアプローチは、社会科学的には、
人間が社会的な動物であるという本性にも根ざしています。

毎月一回第一水曜日に開催される、コンパッション実践会でも、
そのような愛によるつながりの感覚を感じることを大切にしています。
https://compassioneducation.jp/schedule#practice

コンパッション的アプローチと瞑想的アプローチを
統合していくことを学んでいくのが、
コンパッション育成トレーニング(CCT)です。
https://compassioneducation.jp/schedule#cct

CEI
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