自尊心と幸福感の関係を媒介するのは、ネガティブではなくポジティブな自己慈愛であること

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31750614/

概要

目的

本研究では、自尊心、肯定的・否定的自己慈悲のヘドニック・ユーダイモニック幸福に対する予測力を調べるとともに、自尊心とヘドニック・ユーダイモニック幸福の関係に対する肯定的・否定的自己慈悲の相対的媒介役割を評価した。

デザイン自尊心、自己慈悲、快楽的・快楽的幸福を測定する相関的デザインを採用した。

方法

男性134名(M = 25.11, SD = 1.66)、女性138名(M = 21.89, SD = 1.87)の参加者が、便宜的サンプリングによって選ばれた。

結果

その結果、自尊心、肯定的自己共感、ヘドニック・ユーダイモニック幸福度の間には有意な正の相関があり、否定的自己共感はいずれの幸福尺度とも小さな正の相関を示した(基準値)。回帰分析では、自尊心と肯定的自己慈悲は、快楽的幸福と優越的幸福に対して有意な予測強度を示したが、否定的自己慈悲は示さなかった。これは、幸福の社会的・心理的側面についても同様であった。また、β値は、自尊心と比較して、ポジティブなセルフ・コンパッションの方が、両福祉尺度に高い寄与を示すことを反映していた。

結論

自尊心と快楽的幸福、自尊心と快楽的幸福の関係は、否定的ではなく、肯定的な自己慈愛によって媒介されることが明らかになった。さらに、セルフ・エスティームとセルフ・コンパッションは、両方の幸福に対して予測的な強さを有していた。この結果は、自尊心と自己慈愛が幸福を強調することに関連することを示している。今後の研究者への示唆と方向性が議論された。

実践者のポイント本研究では、自尊心と自己憐憫が、それぞれ個人主義的文化と集団主義的文化を持つ人々のパフォーマンスと幸福を説明することに関連することを示唆する以前の知見とは反対に、特にインドのように変化の激しい社会に属する人々の幸福を理解するために、両方の構成要素が有用であることを示唆した。また、本研究は、セルフ・コンパッションの再概念化と実証的検証を提案し、ポジティブなライフアウトカムへの介入を強化・促進するために、より効果的なものとなるであろうことを示した。