自尊心のための慈愛に焦点を当てた療法。システマティックレビューとメタアナリシス

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33215861/

概要

目的

思いやりに焦点を当てた療法(CFT)または思いやりに基づく介入が自尊心の改善に有効であるかどうかを明らかにする。

方法

データベース(CINAHL、MEDLINE、PsycINFO)を検索し、OpenGreyの文献も併せて検索した。また、専門家に連絡を取り、参考文献リストや引用文献のハンドサーチを行った。対象論文は、思いやりに基づくと特定された介入を含み、変数またはアウトカムとして「自尊心」に言及していることが必要であった。論文は、Mixed Methods Appraisal Toolを使用して品質評価された。データは、ランダム効果メタ分析モデルを用いて分析され、研究の質との関連で感度分析が行われた。

結果

10件の適格論文が同定された。8件の研究データのグループ内分析により、中程度で有意な全体的効果量(g = 0.56, 95% CI [0.19-0.93], z = 3.54, p < .001)が示され、質の低い研究を除外するとわずかに増加し有意性を維持した(g = 0.61, 95% CI [0.05-1.17], z = 2.82, p = .005 )。

結論

思いやり重視の治療または思いやりに基づく介入は、自尊心の改善に効果的である可能性がある。しかし、研究間の臨床的・方法論的異質性が大きく、さらなる結論は困難である。

実践者のポイントCFT/思いやりに基づく介入は自尊心の改善に効果的であると思われる。人々のメンタルヘルスを支援する上で、(低い自尊心や思いやり重視の治療など)診断の枠を超えた概念を考慮する必要がある。

キーワード:思いやりフォーカス、思いやりフォーカス療法、メタアナリシス、レビュー、自尊心、療法。