https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35206623/
概要
COVID-19のパンデミックによってもたらされた課題に立ち向かうために、共感が適切な心理的特性であることを示す証拠が増えつつあるが、現時点では、この多次元的構成要素がパンデミックの発生によって、それぞれの構成要素に異なる影響を受けたかどうかについてはほとんど分かっていない。
ここでは、世界的なパンデミックが始まる直前と約1年後に、共感の主要な次元を評価する異なる自己報告測定と認知タスクのデータを収集した機会を生かし、このギャップを埋めることを目的とした。
その結果、パンデミックの発生は、共感的社会的スキルに有害な影響を与えたが、認知的共感（視点を持つこと）および感情的共感には影響を与えず、むしろ有意に改善したことが示された。したがって、共感的社会的スキルの低下は、COVID-19パンデミックに関連するメンタルヘルス上の課題に対処するための心理的介入において目標とすべき弱点となり得るが、一方で、他者の精神状態や感情を理解する能力は、現在の長く続く危機に対処する上での強みになり得る。
キーワード：COVID-19、共感、社会的認知、社会的スキル、心の理論