マインドフルネスと虚偽の記憶。マインドフルネス実践がDRMパラダイムに与える影響

概要

目的

マインドフルネスの実践は、今この瞬間への気づきを培うことであり、近年、認知に有益な効果があることが示されている。
しかし、これまでマインドフルネスが記憶、特に記憶の歪みに与える影響に関するデータは少なく、不完全なものであった。本研究では、マインドフルネス実践が真と偽の記憶に影響を与えるかどうかを検討することを目的とした。

方法

Deese-Roediger-McDermott(DRM)パラダイム(Roediger & McDermott, 1995)を用いて虚記憶を誘発する2つの実験において、マインドフルネス瞑想練習の記憶パフォーマンスへの影響を検討した。実験1では、大学生を5週間のマインドフルネス実践群(n = 29)と待機リスト対照群(n = 22)のいずれかに無作為に分けた。実験2では、大学生を短時間のマインドフルネスセッションを行う群(n = 21)と、マインドワンダリング対照群(n = 19)のいずれかに無作為に振り分けた。

結果

マインドフルネスは真の記憶の認知を高め、自発的な偽記憶には影響を及ぼさないが、誘発された偽記憶の割合は増加することが示された。

結論

これらの知見を記憶感受性と反応バイアスの観点から議論し、マインドフルネスが符号化プロセスに与える影響は、これまで示唆されていたよりも小さい可能性があることを論じた。

https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/00223980.2015.1004298