概要
目的
本研究は、公共サービス職場における思いやりの効果を調査することを目的としている。我々のコンパッションモデルは、公共サービス部門の職員が、上司から愛情、寛大さ、思いやり、優しさなどのコンパッション感情を受け取ることに基づいている。
方法
イスラエルにおいて、166人の公共サービス部門の職員とその上司、そして333人の顧客(市民)を対象とした縦断的研究を実施した。
結果
この縦断研究では、公共サービス職場で上司から思いやりを受けること(時間1)が、従業員の仕事への関与の感覚と正の関係を持ち、仕事への燃え尽き感(時間2)と負の関係を持つという証拠を発見した。さらに、思いやりの受領(時点1)は、上司が評価する公共サービス職員の組織市民行動(OCB)と知識共有(時点2)、市民が評価する顧客に対する思いやり行動(時点2)というサービス志向のパフォーマンスにも影響することが分かった。
結論
思いやりが、このセクターにつきものの、要求の多い市民や行政の仕事量など、ストレスの多い公共サービスの状況に対処するメカニズムとして作用している証拠を見いだした。したがって、公共サービス職場における思いやりは、公共サービス業務のパフォーマンスに顕著に影響する可能性があり、そのため公共部門の管理者や政策立案者は意識的に目標を設定する必要がある。
https://academic.oup.com/jpart/article/28/1/86/4237575?login=true