幼い頃、私はダライ・ラマ法王と手をつなぎ

幼い頃、私はダライ・ラマ法王と手をつなぎ

「幼い頃、私はダライ・ラマ法王と手をつなぎ、わくわくしながら彼の足取りに追いつこうと懸命に歩いた日のことをよく覚えている。

当時私は6歳くらいで、インド北部シムラーにあるチベットの子供たちのためのスターリング・キャッスル・ホームをダライ・ラマが訪問したときのことだった。

そこには私を含め200人を超えるチベット難民の子供たちが住んでいた。

このホームは、小さな丘の上の二つのイギリス植民地時代の建物の跡地に1962年、イギリスの慈善団体セーブ・ザ・チルドレンによって設立された。訪問に先駆け、私たち子供は歓迎のチベットの歌の練習に励み、大人たちは道路を掃いて、蓮の花、宝結び、宝瓶、向き合っている二尾の金色の魚、八つの輪止めの法輪、白い蓋、宝傘、そして法螺貝というチベットの吉
祥八文様を石灰粉で描き、訪問の準備に忙しかった。

ダライ・ラマ訪問の日、学校の周りにはインドの警察官がたくさん集まっていた。その朝、私は到着を待ちながら彼らとビー玉で遊んだことを覚えている。

そしてついに到着すると、それは魔法の時間だった。この日のために作られた白漆喰の香炉からはもうもうと渦巻く煙が立ち上った。色とりどりの一張羅に身を包み、カタ(歓迎を表すチベットの伝統的な白いスカーフ)を握りしめ、学校へと続く道の両脇に並んで、声を限りに歓迎の歌を歌った。

ダライ・ラマが学校内を巡るにあたり、一緒に歩く子供たちの一人として私も選ばれた。歩きながら私が「僕もお坊様になれますか?」と訊ねると、
「よく勉強すれば、いつでも好きな時にお坊さんになれるよ」という答えが返ってきた。

振り返ってみると、まだ幼いうちから僧侶に心惹かれた唯一の理由は、あのホームに二人の僧侶の教師がいたことだ。

彼らはホームにいた大人たちの誰よりも親切で、誰よりも博学に見えた。いつでも幸せそうで穏やかで、時々輝いて見えた。私たち子供にとって一番大事だったのは、彼らが一番面白いお話をしてくれたことだ。」


これは「コンパッション育成トレーニング」創設の中心人物、トゥプテン・ジンパ博士の著書「コンパッション 慈悲心を持つ勇気が人生を変える」(仮題)の一節です。

ジンパ博士は、その後、ダライ・ラマとの会話の通り、「よく勉強」して、お坊さんになり、さらにケンブリッジ大学に進学します。

そして、ダライ・ラマ法王との再会を果たし、専属通訳にならないかという誘いを受け、以来30年以上に渡って、専属通訳を務めることになりました。

ジンパ博士が6歳のときにダライ・ラマが訪れた、チベットの子供たちのためのスターリング・キャッスル・ホームというのは、中国共産党によりチベットが侵略され、難民となったチベット人の子どもたちが収容されていた施設です。

ダライ・ラマもそのころにはチベットを追われ、インドに亡命していたのです。

そんな出来事を経験した、ダライ・ラマ14世とジンパ博士は、世界に慈悲のこころを普及することを決意し、世界へとそのコンパッション(慈愛の心)広めています。

「コンパッション育成トレーニング」(CCT)は、その活動の一環とも言えるものです。

今の時代にとても必要とされているものだと思い、OAUも、その活動に参加しています。

毎月の第一水曜日に開催している無料「コンパッション実践会」は明日6月1日の朝9時半からです。

よければ、コンパッション」の瞑想、一緒にしませんか?
https://compassioneducation.jp/schedule

OAU
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