概要
目的
英国の救急医療コンサルタントにおける共感満足度と共感疲労の有病率を推定し、その潜在的な原因と結果を探ること。
方法
逐次的混合研究法デザイン。英国NHSの全救急医コンサルタント(n=1317)を対象にProQOL(compassion satisfaction/fatigue) を含む横断的な電子調査を行い、その後、あらかじめ定義されたProQOLの閾値以上(n=6)および以下(n=6)のコンサルタントと面談を行った。
結果
681名(52%)のコンサルタントが回答。ほとんどの相談者(98%)は、少なくとも「平均的な」思いやりの満足度を報告した。高い得点は、職場のタイプ(指定外傷センターが良い)およびコンサルタントとしての勤務年数と関連していた(時間とともに徐々に悪化し、20年以降は改善される)。思いやりの満足度が低い(悪い)コンサルタントは、患者や同僚に対してイライラしたり、ケアの水準を下げたりすることを報告する傾向があり(3分の1は少なくとも毎月これらの行動を報告している)、早期退職を意図する傾向が強かった(59%がそのような計画を持っている)。満足」しているコンサルタントと「疲労」しているコンサルタントを区別する主な特徴は、自分の役割に関連する高い業務強度に対処する戦略を持っていることと、自分が働いているチームに対して肯定的な見方をしていることであった。また、役割の多様性や患者への共感を維持する能力も、両グループを区別する特徴であった。
結論
この知見は、救急医療における労働力とリソースの緊急レビューを支持し、労働力における職業性ストレスの特定、予防、治療には、個人、仕事、組織的要因、特に職場でのコントロールとサポートの認知に影響を与える要因を考慮した多因子アプローチが必要であることを示唆するものであった。