https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32849021/
概要
医療従事者(HCP)は、高レベルの燃え尽き症候群と同情心疲労のリスクを抱える集団である。本系統的レビューの目的は,HCPのマインドフルネスとコンパッションの特性に関する最近の文献を概観するとともに,MBSRやマインドフルネス介入,コンパッション疲労関連プログラムなど,2つの側面を含む技法の有効性を探ることであった。PubMedやPsycINFOなどのデータベース検索をPRISMA(Preferred Reporting Items for Systematic Review and Meta-Analyses)ガイドラインに従って行い、AMSTAR-2(A MeaSurement Tool to Assess systematic Reviews-2)を用いて本システムレビューの手法的品質を評価した。包括基準を満たした論文数は58編(RCT4編、事前・事後測定による研究24編、横断研究12編、コホート研究11編、質的研究7編)であった。MBSR介入は、マインドフルネスとセルフコンパッションレベルの改善と維持、バーンアウト、うつ病、不安、ストレスの改善に有効であった。最も頻繁に採用された介入戦略はマインドフルネス関連のトレーニングで、マインドフルネスとセルフコンパッションレベルの改善に有効であったが、同情疲労の改善には有効ではなかった。コンパッション関連の介入は、セルフコンパッション、マインドフルネス、対人葛藤レベルを改善することが示された。マインドフルネスは、負の感情および同情疲労の改善に有効であったが、同情満足は正の感情の育成に関連している可能性がある。この系統的レビューでは、HCPのマインドフルネスおよびコンパッション関連の資質に関するエビデンスと、マインドフルネス、自己コンパッション、QOLなどの専門家の心理的変数に対するMBSR、マインドフルネス関連およびコンパッション関連の介入の潜在的な効果についてまとめた。構造化されたマインドフルネスと思いやりの育成トレーニングを組み合わせることで、介入の効果を高め、介入プロトコルのばらつきを抑え、将来の研究のデータ比較可能性を向上させることができるかもしれない。