思いやり育成トレーニングの無作為化比較試験。マインドフルネス、情動、情動調節に対する効果

概要

目的

コンパッションは苦しみに対する肯定的な志向であり、コンパッショントレーニングによって強化される可能性があり、心理的機能に影響を及ぼすと考えられている。
コンパッショントレーニングがマインドフルネス、情動、感情調節に及ぼす影響を調査する。

方法

地域の成人100名を、9週間の思いやり育成トレーニング(CCT)または待機者リスト(WL)対照条件のいずれかに無作為に割り付けた無作為化対照試験を実施した。
参加者は、マインドフルネス、ポジティブおよびネガティブな感情、感情調節を測定する自己報告式の検査を記入した。

結果

CCT(受講者)はWL(待機者)と比較して、マインドフルネスと幸福感を増加させ、心配と感情の抑制を減少させる結果となった。

結論

CCTでは、正式な瞑想の実践量が、心配と感情の抑制の減少と関連していた。これらの知見は、思いやり育成トレーニングが、心理的柔軟性と適応機能を支える認知・感情因子に影響を与えることを示唆している。同様に、思いやりは行動ではないが、行動に影響を与えると考えられる動機づけの要素を含んでいる(例えば、利他主義)。

https://link.springer.com/article/10.1007/s11031-013-9368-z