概要
目的
思いやりのトレーニングが様々な重要な対人行動(例えば、援助行動)に及ぼす効果について、文献が増え始めている。しかし、まだ十分に理解されていないのは、コンパッショントレーニングが情動と情動調節にどのような影響を与えるかということである。
方法
この問題を検討するために、我々は9週間のコンパッショントレーニングプログラムを実施し、成人51名が1日2回、4つの感情状態(不安、平穏、疲労、覚醒)の評価と、これらの感情状態を調節する欲求と能力を提供した。さらに、参加者は5つの具体的な調節戦略について毎週回答した。
結果
1日の感情経験の軌跡を分析した結果、不安が減少し、平穏が増加することが示された。感情調節の日々の軌跡を分析した結果、参加者は感情経験を受け入れ、影響を与えない、あるいは調節する(感情状態を弱める、高める、保持する、維持するのとは対照的に)ことを選ぶ傾向があることが示された。同時に、参加者は、それぞれの調節目標を達成する能力が高いことも報告された。最後に、コンパッショントレーニングプログラムの期間中、特定の調節戦略の週ごとの軌跡を分析したところ、参加者はストレス/不安を経験したときに、表現的抑制の使用を減らし、より大きな受容へとシフトしていることが示された。
結論
これらの結果は、コンパッショントレーニングのような介入は、特定の感情状態を調整し、特定の調節戦略の使用と自己効力感を修正するのに役立つ可能性があることを示唆するものである。