医療従事者に対する思いやり育成トレーニング(CCT)の効果について

概要

目的

医療従事者の燃え尽き症候群(バーンアウト)と仕事満足度の様々な側面に対する思いやり育成トレーニング(CCT)の効果を調査する。
具体的には、CCTが仕事に関連した燃え尽き症候群、対人葛藤を軽減するかどうか、また、マインドフルネス、自己への思いやり、思いやりの恐怖、仕事満足度のスコアを増加させるかどうかを調査すること。
医療従事者の感情的燃え尽きの一般的な理由は、共感的苦悩である(Klimecki & Singer, 2012)。共感的苦悩とは、他者の苦しみを目の当たりにしながら共感することで生じる、感情的葛藤の一種です(Klimecki & Singer, 2012)。

方法

22歳から80歳までの医療従事者とされる成人62
を対象とし、参加者は全員、8週間のCCTコースを修了後、自己理解、思いやりの恐れ、マインドフルネス、バーンアウト、仕事満足度、対人葛藤に関する質問票に回答した。質問票は、CCTの初週、中盤、最終週、およびCCT終了後1カ月(フォローアップ)にEメールで実施された。

結果

本研究の結果、参加者のセルフコンパッション、マインドフルネス、対人葛藤のスコアが有意に改善されることが示された。また、自己申告の仕事満足度についても、わずかながら有意な改善がみられた。

結論

CCTは医療従事者の健康のいくつかの側面、自己申告のマインドフルネス、自己理解、他者への思いやり、対人葛藤の改善に役立つ可能性がある。
本研究の示唆は、このトレーニングが医療従事者のメンタルヘルスの回復力を促進し、患者ケアを向上させ、バーンアウト予防に役立つ可能性があることである。
また、マインドフルネスの実践の増加は、職務満足度の向上と関連している可能性がある。

https://aps.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/cp.12130