概要
背景
思いやりは、質の高い患者ケアに不可欠な要素であると考えられている。医療関連文献における概念的な課題の一つは、思いやりがしばしば同情や共感と混同されることである。同情、共感、思いやりに関する患者の視点を比較対照する研究はほとんどない。
目的
本研究の目的は、今後の研究のために概念の明確化を図り、臨床実践に役立てるために、進行がん患者の「同情」「共感」「思いやり」に対する理解、経験、嗜好を調査することであった。
デザイン
データは半構造化インタビューによって収集され、その後、研究チームによって、ストラウス型グラウンデッド・セオリーの3つの段階と原則を用いて独自に分析された。
設定・参加者
都市部の大規模病院における53名の進行がん入院患者からデータを収集した。
結果
同情、共感、思いやりの構成要素には、明確なテーマとサブテーマが含まれている。共感は、苦痛を感じる状況に対する望まない同情に基づく反応であり、観察者の理解不足と自己防衛によって特徴づけられると説明された。共感は、感情的な共鳴を通じて、個人の苦しみを認め、理解しようとする感情的な反応として経験された。同情は、共感の主要な側面を強化する一方で、愛によって動機づけられていること、応答者の利他的役割、行動、小さな超代償的親切行為といった明確な特徴を追加した。患者さんは、同情とは異なり、共感と思いやりは有益であり、思いやりが最も好まれ、影響を与えると報告した。
結論
同情、共感、思いやりは、医療関係の文献では同じ意味で使われ、しばしば混同されているが、患者はそれらを独自に区別し、経験している。患者さんの視点を理解することは重要であり、実践、政策改革、将来の研究の指針となる。
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/0269216316663499