https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36171016/
概要
はじめに
2型糖尿病(T2D)における苦痛の潜在的な主要予測因子として、低い自己共感と睡眠の質の低さが同定されている。本研究では、T2D患者における睡眠行動(睡眠時間、社会的時差ぼけ、日中の眠気)、糖尿病関連苦痛(DRD)および自己慈愛との関係について検討した。
研究デザインと方法
この横断研究は、自己報告式の質問票、加速度計による睡眠測定、人口統計学的情報から得られた467人のT2D患者のデータを使用した(clinicaltrials.gov登録:NCT02973412)。参加者は全員、T2Dの診断を受け、睡眠障害(閉塞性睡眠時無呼吸症候群を除く)を併発していなかった。階層的重回帰分析および媒介分析を用いて、セルフコンパッション、睡眠変数、DLDの関係を定量化した。
結果
DRDの有意な予測因子には、自己共感尺度(SCS)の2つの陰性下位尺度、および日中の眠気が含まれた。SCSの下位尺度である「過自明」「孤立」は、苦痛を予測する上で特に重要であった。また、日中の眠気は、睡眠に関するセルフケアを通じて、セルフコンパッションがDRDに及ぼす影響を部分的に媒介する可能性があった。
結論
日中の眠気および否定的な自己共感は、T2D患者のDRDと明確な関連性を有する。負の下位尺度の結果は、個人が思考や経験に没頭することなく注意深く気づく能力を強化し、分離感や差異感を軽減することが、T2Dの幸福を改善するための重要な治療目標である可能性を示唆する。心理学的介入には、否定的な自己憐憫の軽減と睡眠行動の改善に焦点を当てたアプローチを含める必要があります。同様に、DRDの低減は、睡眠と自己慈愛に有益な結果をもたらすかもしれない。しかし、因果関係や長期的な影響を明らかにし、関連する臨床資源を開発するためには、さらなる研究が不可欠である。